宮城県立高校入試:英語の合格勉強法
過去問の内容を踏まえながら、戦略的勉強方法について述べます。
1英語の問題構成と概略
宮城県立高校入試・英語の問題構成は以下の通りです。
第一問 | : | リスニング |
---|---|---|
第二問 | : | 語彙・文法 |
第三問 | : | 長文読解(スピーチ文) |
第四問 | : | 長文読解(エッセイ・作文読解) |
第五問 | : | 英作文 |
文法や語彙は基本的なものが多いため、教科書に準じて勉強すれば良いです。 また、英作文の問題が毎年のように出題されているので、それらを間違いなく正確に使いこなせるようにしておきましょう。 それに加えて、問題が多く長文読解の割合も大きいため、文章を早く読む練習もしておいて下さい。
2英語はコミュニケーションのツール
英語は、「好きこそ物の上手なれ」ということわざが一番当てはまる科目だと、私は考えています。 周りの友達を見ていると、英語をコミュニケーションのツールだと認識し、積極的に英語を用いて会話を楽しんでいくような子は、英語の上達にめざましいものを感じます。
英語に苦手意識を持っている方は、ぜひ、英単語や文法は「覚えなくてはいけないもの」ではなく「会話の際には覚えていた方が便利なもの」と考えを改めて見て下さい。きっと少し英語を使うことが楽しくなるはずです。
そして、大学生になりつくづく実感することですが、英語は身につけておいた方が絶対にお得なスキルです。 英語力だけで、将来の選択肢を何倍にも増やすことが出来ます。
3リスニング対策
英語の発音に慣れる
リスニング力の向上に近道は存在しません。とりあえずたくさん英語を聞いて、英語の発音に慣れて下さい。 そして、1日に詰め込むのではなく、毎日少しずつ聞くことをお勧めします。 英語の得意な友達は、リスニングは筋トレだと言っていました。 やればやるほど筋力は増していきますが、しばらく使っていないと、筋力はだんだん衰えてしまいます。
私は「基礎英語」や「速読英単語」を利用していましたが、使う教材は発音が正しければなんでもいいと思います。 もし学校で支給されているものがあれば、そちらを使って下さい。 毎朝の通学路での10分の努力が1年後には大きな実を結んでいることでしょう。
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4英単語の対策
綴りだけで覚えない
英単語を覚えることは、とても地道な作業です。 覚え方は、人それぞれにやりやすいやり方があると思います。 とは言え、もし英単語を覚える際に目で見て綴りだけで覚えている人がいたら、いますぐやり方を変えて下さい。
英単語は必ず発音とセットで覚えるようにしましょう。 綴りだけを先に覚えてしまうと、一つの英単語において、発音と意味がリンクしないという現象が起こります。 これは私の体験談でもあるのですが、耳で聞いた時に、知らない単語だと思ってもスクリプトを読むととても基本的な単語であることがあったのです。 そして、これはリスニング力に直結します。
もし、英単語をこの方法で覚えている方の中でリスニングが苦手だという方がいたら、一度基本的な単語の発音を確認してみて下さい。如何に自分が単語の発音を間違って覚えているかに気づくことができるかと思います。
五感をなるべく使うこと
私のお勧めの英単語を覚える方法は、一つの単語を覚える時になるべく多くの五感を使うことです。 大学受験の時は、以下の方法を意識していました。
(1) | 綴りを見ます。(視覚) |
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(2) | ノートにその単語を書きます。(触覚) |
(3) | 正しい発音を耳で聞きます。(聴覚) |
(4) | 自分で発音します。(聴覚) |
(5) | その単語を使った短文を覚えます。(視覚) |
人は外界のものを感知するために5つも優秀な機能を備えているわけですから、積極的に使っていってしまいましょう。単語を綴った時にLとRを間違えたり、うまく発音できなかったりといった些細なエピソードの全てが単語暗記の手助けとなります。
5文法の対策
覚えるだけでなく、使いこなす
教科書に出ている基本的な文法を、確実にマスターしていけば良いでしょう。 S+V+Oというように、抽象的な形で暗記していくことも大切ですが、具体的な文章の中でその文法を当てはめて正確に意味が読み取れるようにすること、文法を自分で用いて英作文が書けるようにすることも、とても大切です。
特に、宮城県の高校入試では、例年英作文の問題が出ています。 英作文を書く上で、文法を正しく使えていないことは減点対象となってしまいます。 一つ文法を習得しただけでも表現の幅が広がり書きやすくなるので、使いこなす練習をきちんと行っておきましょう。
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6長文読解
スピードが命
当たり前のことですが、読むスピードを上げることが長文読解の点数を上げる鍵となります。 しかし、読むスピードが遅いと一言で言ってしまえば簡単ですが、なぜ遅いのか分解して考えてみることがとても大切です。 私は、以下のような理由があると考えています。
(1) | 分からない単語が多い |
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(2) | 文章の意味が分からない |
(3) | 一文一文を日本語に翻訳しながら読んでいる |
(4) | 繰り返し読んでしまっている |
(5) | 問題まで行った時に文章の該当箇所が分からない |
分解して考えてみると、理由によって行うべき対策が異なることが分かります。 それぞれについて対策を考えていきましょう。
理由別:速く読むための対策
(1)分からない単語が多い
この場合は、単純に単語を覚えていきましょう。 単語力は、一番強力な長文読解力アップの方法です。 逆に、単語さえ覚えてしまえば多少の文法が分からなくてもおおよその内容は推測することが出来ます。
(2)文章の意味が分からない
これは、単語力か文法力のどちらかが足りていません。 パッとみて意味が分からなかった文章はSVOCを振るくせをつけるようにして下さい。
まず、but, andなどの接続詞を探して、そこで区切ります。 これらの接続詞の前後では、文章は独立しています。 独立した文章それぞれが、S VなのかS V O なのか、またはS V Cなのかというように把握していって下さい。
把握することが出来なかったら、それは自分の文法を使いこなす力がまだ足りていないということです。
(3)一文一文を日本語に翻訳しながら読んでいる
これは、非常に時間がかかります。 日本語を介さず英語を直接理解する練習を、普段から行うようにして下さい。 それでも分からない文章がある時にはどうしても日本語に訳してしまいたくなると思いますが、その時は主語と述語、目的語の順番を崩さずに訳しましょう。
例:I went to school by train. →私は 行きました 学校へ 電車で
(4)繰り返し読んでしまっている
文章を読むときに、名詞に印をつけながら読み進めていくことをお勧めします。印をつけながら読むことで読むことにメリハリがつきますし、万が一文章の内容を忘れてしまったとしても、名詞を見つけることで効率的に内容を思い出すことができます。
(5)問題まで行った時に文章の該当箇所が分からない
長文読解では、問題を先に読んで下さい。 そうすることで、自分が探すべきキーワードを頭に入れた状態で読み始めることが出来、問題の該当箇所はどこだったか分からなくなって読み直すという手間を省くことができます。
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7最後に
最後にもう一度述べますが、やはり英語は「好きこそものの上手なれ」です。 音楽でも何でもよいので、自分の好きな分野でたっぷりと英語に触れて、英語を目一杯好きになって下さい。 そうすれば、自ずと試験の成績も向上します。