東北大医学部生「解剖実習」で学んだ人体の神秘性
皆さん、こんにちは! 仙台市の「名門進学会」家庭教師で、東北大学医学部医学科2年の金子 茉央(かねこ まお)です。
1. 厳しい勉強で受験期を思い出して
肉眼解剖学の期末テストまであとわずか… ご飯と睡眠とバイトの時間以外は勉強する毎日で、受験佳境期を思い出します。 今でも勉強漬けの生活において、お昼休憩のご飯は気分転換として大事にしています。 それで、今は、大学生らしく(?)色々な店を巡っています。
サバイセット(タイ料理サバイサバイにて)
牡蠣の卵とじ丼(仙台かき徳にて)
2. 「解剖実習」で学んだこと
さて、つい先日、約2ヶ月に及ぶ「解剖実習」をようやく終えることが出来ました。 今回は、その振り返りを話していきます。 この貴重な体験を経て、私は非常に多くのことを学ぶことが出来ました。
A. 3次元の構造物として実感
学んだことは、大きく分けて3つあります。 1つ目は、今まで2次元の紙面上で見ていた人体構造が、ようやく自分の中の3次元の構造物として実感出来たことです。
「解剖実習」をする以前は甲状腺の位置すら分かっていなかった私は、実際に甲状腺を見つけてそこに通る血液の流れや腺房に特徴的な色や質感を観察した時、ホルモンが分泌され全身を回って身体を制御していく様子が初めて具体的に想像できて、ひたすら感動を覚えました。
他の授業で習ったことの理解も
他にも、解剖と並行して授業が行われた「組織学」や「生理学」で習う事柄も、「解剖実習」で実際に観察した後だと、構造物の特徴やホルモンの流れなどが自分の記憶と対応させながら覚えることが出来て、とても有意義な学習につながったように思われます。
医学科の先生の例
B. 精密な人体構造に感動&神秘を感じて
2つ目は、人体の精緻な構造への感動と神秘性を感じることが出来たことです。 特に感動したのは、下垂体を見つけた時です。 脳の中には7〜8mm程の小さな物質が収まっていて、こんな小さい構造物から何種類ものホルモンが出て、身体のコントロールをされているのかと思うと鳥肌が立つほどでした。
他にも例を挙げ始めたらキリがないですが、上手く出来過ぎている構造や仕組みが目の前に現れて、同定作業は感動の連続でとても密度の濃い時間でした。 実習の時間は、いつもあっと言う間です。
C. 将来医師として手を加えることに
3つ目は、精緻な人体構造に感動を覚えると共に、自分が将来医師として手を加える恐怖を感じたことです。 精密な構造であるということ逆に言うと、その構造の核となる部分を破壊してしまったら多くの部分にダメージが出てしまうと言うことです。
先生は、授業の中で補助的に臨床の話などをして下さりましたが、実際に観察をすることでそれらを知っておくことの重要性を感じました。
外科の先生方は偉大!
今回自分達が行った解剖では少し失敗しても何も起こりませんでしたが、将来医師になった際にはそんなことは許されていません。 間違えて神経を切ってしまうと体は麻痺してしまうし、血管を切ってしまうと大量出血を引き起こしかねないのです。 つくづく外科の先生方の偉大さを実感しました。
3. 心から感謝申し上げます!
このように貴重な体験をさせて頂いたことには、改めまして感謝しかありません。 実習が始まる前に先生もおっしゃられていましたが、新型コロナウイルスにより世界中に自粛的な風潮が漂う中実習を決行することが出来たのは、世間が医学部生の解剖実習の重要性を認識し期待をして下さっているからです。
この経験を無駄にすることなく、今後も医学の勉強に勤しんでいきたいと思っています。 この場を借りて、ご献体の方やご遺族、白菊会の方々、実習でお世話になった先生方に心から感謝申し上げます。 本当に有難う御座いました。
実習終了後に打ち上げで食べた唐揚げ定食
最後まで読んで頂きまして、本当に有難う御座いました!