東北大医学部6年間の体験記
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2年生その2 解剖実習スタート

2年生後期 薬理学に必死

2年生後期~解剖実習スタート

 2年生後期で最も印象に残っているのはやはり解剖実習です。医学生のため、未来の医学の発展のためにとご協力をしてくださったたくさんの命を扱う実習ですから、当然特別なものです。

 このときばかりは事前にしっかりと予習をし、万全の態勢を整えて実習に臨みました。実習は週3回×3ヶ月にわたり、4人1グループとなって、グループごとにご献体の解剖が行なわれます。

 初めての解剖実習の日のことは、今でも鮮明に覚えています。白衣を着て帽子やマスクを身に着け、解剖実習専用の部屋に足を踏み入れたその時、初めて人の死を目の当たりにしました。医学部に入学するということは人の命を背負うということで、特別な権利が与えられているのだという使命を改めて痛感した瞬間でした。

 実際に手を動かす前に、先生から解剖の手順と、どの構造物のどの走行が大切なのか、などの説明を受けてから実践をするという流れとなっています。

 説明が終わっていざ本番と、メスを握る時はいつもとても緊張しました。私も初めは倒れてしまうのではないかという不安はありましたが、気分が悪くなることはありませんでした。

 実際に臓器を見て触れると、教科書で勉強するよりもはるかに記憶に残り、大変勉強になります。上級生になると手術に入る機会も多く人体の内部の構造を見ることはたくさんありますが、こんなにも隅々まで体の中を見ることができる機会はなかなかありません。

 一生に一度しかないこの実習は、将来医師になるうえで欠かせない非常に重要な実習です。人体の解剖がすべて終わると、脳の解剖も行います。こちらは脳をスライスして断面のスケッチを行います。

 すべての実習が終わると、学生が主体となってご献体の慰霊祭を開き、遺族の方を招いて、遺骨の返還を行います。仙台国際センターの大きなホールで行われましたが、本当にたくさんの方が参加してくださり、こんなにも大勢の方々のご協力のもと勉強させてもらえているのだなと実感し、感謝するばかりでした。

薬理学

 解剖の他に2年生の後半で学ぶのは薬理学Ⅰ、病理学Ⅰ、免疫学、生理学Ⅱの4つです。

 この薬理学というのが東北大学医学部で最も厳しいとされている科目で、試験の数週間前から勉強していても毎年学年の50人程が再試験を受けることになる科目です。

 薬理学というのは文字通り薬について学ぶ学問ですが、世の中の薬の数を考えれば量の多さに想像がつくかと思います。そして横文字ばかりですし覚えにくいことこの上ありません。

 臨床の現場にいる今では、どの薬がどのように使われているのかイメージが付きやすいですが、この当時は無理やり単語を頭に詰め込むしかなく、留年したくないという思い一心でただただせっせと暗記をしていました。

 ちなみに薬理学の試験日は12月26日とクリスマスの翌日に設定されていました。薬理学の前にもたくさん試験が詰まっていたため、12月は勉強付けでしたし、恋人がいる人は教務を恨み、涙を呑んで勉強していたものです。

 大変な試験もありましたが、何はともあれ、東北大学は留年率がそこまで高くないため、ほとんどの人が無事に進級することができます。

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