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センター試験合格勉強法 - 日本史 -

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日本史 傾向と対策

1.はじめに

 センター試験対策でまずやるべきことは、過去問です。 センター日本史の出題パターンは、毎年大体決まっています。 早いうちに、どのような形で出題されるのかを頭に入れて勉強の方針を立てることが、本番で良い点を取ることにつながります。 日本史はとにかく暗記する量が多いので、こだわって細部まで覚えようとするあまり歴史の流れが理解できていなかったり、時代によって得意不得意ができてしまったりして、結局全体の点数が伸び悩むことになりがちです。 しかし、センター試験では日本史以外にも多くの教科を受験するのですから、なるべく時間をかけず、効率の良い勉強の仕方をする必要があります。 以下にいくつか勉強法をまとめてみました。

2.縦と横のつながりを意識する

 まずは、縦のつながりについて具体例を挙げてみましょう。 日本史Bの過去問に、次の三つの事項を並び替えよという問題があります。

 Ⅰ. 源頼信が関東地方で起こった平忠常の乱を鎮圧した。
 Ⅱ. 源義朝が京都での兵乱に東国の武士を動員した。
 Ⅲ. 源頼義が前九年合戦に関東地方の武士を動員した。

 すぐに並び替えることができたでしょうか。 この問題は、人物と出来事を1対1で丸暗記しただけでは解けません。 しかし、源頼信が平忠常の乱を平定したことで東国武士との間に主従関係が生まれ、河内源氏の東国進出の契機となったことを理解していれば、東国の武士たちを動員できたのは平忠常の乱後ということがわかります。 さらに言えば、頼義は頼信の子で平忠常の乱にも同行しており、陸奥国で起きた前九年合戦には陸奥守として関わり、陸奥への河内源氏の勢力拡大を目論みました。
 義朝は鎌倉幕府を開いた源頼朝の父であり、院政期の保元の乱・平治の乱に参加しました。 したがって解答はⅠ→Ⅲ→Ⅱとなります。 このように出来事を個々に覚えるのではなく、因果関係を意識しストーリーを組み立てていくことが縦のつながりを理解するということになります。 日本史は年号の暗記がつらいという人もいますが、縦の流れを意識して勉強すれば、年号の暗記は特に重要なものだけにとどめ、あとはそれを目印に前後のストーリーを思い出すという方法で、ほとんどの問題には対応できると思います。

 次に、横のつながりについて説明します。 過去問を見てみましょう。 「鎌倉仏教の開祖の一人である法然が活躍した時期の政治状況について述べたものとして正しいものを選べ。」という問題です。

 ①  白河天皇が、堀川天皇に譲位し、自らは上皇となって院政を開始した。
 ②  源義仲が、北陸道から入京し、平氏一門を西国へ追った。
 ③  北条時頼が、御家人の訴訟を専門に扱う機関として引付を設置した。
 ④  条時宗が、元の襲来に備えて九州北部などを御家人に防備させた。

 この問題は、法然が活躍した時期が平安時代末期であることを知っていれば、消去法から②を選ぶことができます。 法然の開いた浄土宗は鎌倉仏教に含まれますが、開宗自体は平安末期であることに注意しましょう。 このように、宗教と政治的出来事との関係を問う問題は、文化と政治との横のつながりを考える問題と言えます。

 日本史を勉強する上で、文化史を苦手とする人は多いかもしれませんが、例えば神社仏閣などの建造物はほとんどがその時代の有力者が関与しており、その人の立場から政治的中心がどこにあったのかを理解することができます。 また、文化はその時代ごとに中心となる場所や担い手が変わり、これらは政治経済の影響を強く受けています。

 例えば、江戸時代初期の寛永文化は京都を中心とした文化であり、幕府や朝廷、一部の上層町衆を担い手として桃山文化の豪華さを継承していました。 一方、その後上方から広まった元禄文化は、上方の武士や豪商、町人を担い手とし、実証主義的な傾向を持ち、儒学などの学問も発展しました。
 この違いは、江戸幕府の成立により戦乱の世が終わり、しだいに経済力が向上して庶民の生活が豊かになってきたことが一因であると言えます。 このように、文化史を勉強するときはまずその文化の大まかな特徴、それから代表的な作品や人物名を覚えていくのがいいでしょう。 センター試験では写真を用いた問題も出るので、教科書に載っている建造物や絵画などに関しては覚えておく必要があります。

 また、横のつながりとしてもう一つ重要なものを挙げると、同時代の諸外国の動向や文化があります。 特に朝鮮・中国での動きは政治面でも文化面でも日本に大きな影響を与えているので、いつどの王朝が栄えていたのかなどはチェックが必要です。 さらに近代以降は欧米の動きも日本の政策に密接に関わってくるので、横のつながりを押さえることが全体の流れを理解する上でポイントになります。

3.まとめノートを活用する

 日本史の覚える量は膨大ですから、同じことはなるべく一回で覚えてしまいたいものです。 その手助けをしてくれるのがまとめノートです。 まとめノートと言っても色ペンを駆使したきれいなノートを作る必要はありません。 模試でできなかったところや自分で必要だと思ったところを書き出して、後で見返せるようにしておくだけでいいのです。おすすめは、手帳サイズのノートに余白を多めにとってまとめる方法です。小さいノートならば気軽に持ち歩いていつでも見直すことができ、余白を残すことで見直しやすい上に、後で情報を付け足すことができるからです。

4.すき間時間を活用する

 先述の通り、センター日本史は他の受験科目との比重から考えても、あまり勉強時間がとれない科目だと思います。 まず重要なのは英国数の三教科ですから、センター直前期は英国数の対策を中心に据え、日本史はその合間に対策をしていくことになるでしょう。 そのときに活用してもらいたいのが通学中や寝る前などのすき間時間です。 このすき間時間に教科書やまとめノートを見返します。 日本史は過去問を解くこと自体にはあまり時間のかからない教科だと思うので、むしろ他の科目と同様に時間を割くことはせず、すき間時間を中心に勉強するべきかもしれません。

 以上はあくまでセンター向けの勉強法なので、二次試験対策には向かないかもしれませんが、少しでも参考になれば幸いです。

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